さて、長らくこのセクションが空欄となっており、何に使おうか考えておりましたが、
せっかくなので論文紹介や研究紹介を少しずつやってみようと思います。
業績として新着論文などは追加していっておりますが、基本的に国際誌に投稿することを心がけております、そのため和文での説明もあったほうが良いと思い、試験的にここをそれ用につかってみたいと思います。
なるべく一般向けに説明したいと思いますが、初の試みなので、生暖かい目で見守ってください。
さて、早速ですが先日新しく表記のような論文がパブリッシュされました。
内容としては、森林資源量の推定の向上を複数のリモートセンシングプラットフォームとセンサーを用いて検証するというものです。
森林資源量といっても様々ですが、ここでは所謂「幹材積」というものを推定していきます。
森林の状態を測量するには様々な方法があります。従来で言えば森に入り木を1本1本測ってなどですね。
それと並行して昔からそうしなくても判別するための方法を多くの方が模索してきました。
「リモートセンシング」というワードは私の研究でも中核にあります。これはいわゆる「遠隔探査」といって、広義の意味では「モノや場所や現象を、直接それらと接触せずに観測するための技術」という感じです。
これらは、衛星(気象衛星・地球観測衛星・GPS等)、ソナー(船とか)、スピードガン(球速測ったり、車のスピードとか)など様々なものが存在します。最近ではホビーとしてドローンなども流行っていますね。単純に空中から映像を撮るだけでも、それは遠隔で観測しているものです。そして研究でもドローンは大きく利活用されてきています。
今回の研究はこのリモートセンシングの技術のうち、ドローン・合成開口レーダ(衛星画像)・地上レーザスキャナ(TLS)から得られたデータを使って推定していく、というものです。(それぞれの機器については詳細はまたの機会に)
様々なプラットフォームから得られた情報と森林の情報の関係性を見ていきます。またそれらのデータを使うことで、森林の状態が正しくどれくらい判別することが可能なのか?
ここでは機械学習を使って、多くのデータをまとめて分析しています。
最近よく耳にする機械学習っていうのは、定められたアルゴリズムによって、入力されたデータを機械的に(この場合パソコンが)分析をしていくというものです。最終的に得られたパターンやルールなどの情報から、結果を推定していくということですね。
それでまぁ結果はどうだったかということですが・・・
全ての論文を調べたわけではないですが、光学衛星だけや、合成開口レーダだけと比べても精度はよくなっています。特にドローンで取得したデータが効いていますね。
このような手法を使って森林経営とかにも使っていければ、日本が抱える林業の人口減少や高齢化などによる問題に、少しでも貢献できるのかな、と思ったりもしています。
日本の山に入るには、結構厳しいところが多いですからね。遠隔で森の状態がわかるのであれば、これほど楽で安全なことはないです。
論文の全文は以下のリンクから見れます。オープンアクセスなので誰でも読めますよ。
これからもちょこちょこ書いてみたいと思います。
随時加筆・修正をすると思いますが。
まぁまずは試しに1つ目!
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